歪められた道路行政

平成29年10月23日現在、沼津市は高尾山古墳と都市計画道路を両立させる方針を堅持しているが、沼津市議会においては、未だに数名の議員が古墳の移転を主張している。古墳に対する価値観の違いはさておき、平成9年2月に事業認可され、今日まで整備されてきた(都)沼津南一色線の隠された重大な欠陥について、大部分の人が理解していないように見受けられるため、インターネット上に事実を明らかにすることとした。

現在、古墳との両立を模索している(都)沼津南一色線は、国道246号バイパスに接続されるため、設計速度が60㎞/h、4車線の高規格道路として設計(当初設計)されたはずなのだが、高尾山古墳を破壊するルートに変更したため、江原公園交差点内に折れ点を設ける設計(実施設計)になってしまった。この問題によって、将来接続する国道246号バイパスから流入する大型車両は、緩和区間が設けられていないために、折れ点の位置で急なハンドル操作を余儀なくされ、併走する車両に危険な幅寄せを行うことになる。特に雨天や夜間時に、重大な事故が発生することを危惧するのは私だけだろうか。このような道路の構造に起因する事故は、道路管理者が責任を負うことになるため、道路整備事業の完了後、市から国に管理を移管することは不可能となる。

沼津市が、(都)沼津南一色線の事業認可申請を行った当時、国や県公安委員会との事前協議の段階で、江原公園交差点に生じる危険性を指摘されなかったとは到底思えない。しかも沼津市が、危険を承知で道路事業を推し進めたのであれば、当時の道路管理者や事業に携わった職員の責任が問われることになるだろう。ちなみに平成9年当時の道路管理者は、沼津市長に当選したばかりの元建設大臣官房総務審議官であり、今回の解散選挙の理由である『加計学園問題』と同様の構図によって、道路行政が歪められた可能性は否定できない。

私たちは、道路建設を行うために沼津城、長久保城などの歴史的に重要な史跡を次々と破壊してきた過去を、今こそ総括すべきである。破壊の全容を全て明らかにすることで、高尾山古墳と都市計画道路の両立を可能とする「最善の道筋」を見出すことができるからだ。

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